2021年1月9日土曜日

二酸化炭素測定器を自作 (準備編)

二酸化炭素は眠い


コロナのおかげでほぼ自宅から出ないで作業が続いています

冬に入って窓も締め切る状態になると二酸化炭素が部屋に溜まっていって集中力が落ちている気がします(個人の感想です)

NETATMOという環境測定の機材を使っているんですが、だいたい1,000ppmを超えるとモヤとした感じになり1,800ppmを超えたあたりから眠くなってきます

                                    NETATMOの表示例


実は最近の電車も2,000ppmが超えないようにきちんと管理されています。小田急線の車掌側の運転台でその表示が見れる事もあります。

昔は満員電車で女性が酸欠でよく倒れていましたが、ここのところそういうのが激減しています。これは女性の為を思ってのことではなく、倒れると電車が遅延するということが主な理由だと思いますがWINWINなので大変結構なことかと。

NETATMOの問題点

NETATMOはグラフに出してくれるのでとても便利なんですが、1週間に1度程度部屋を完全換気して430ppmにしないとどんどんずれていくのと、クラウド側のサーバーが非力過ぎるのか年中メンテしていてグラフを見たい時に見れないという事がありストレスがたまります

しかも結構高い。1センサー1台で1万円くらい 

という事で自作してみようと思いました

二酸化炭素センサー

 PC WatchでCO2センサーを自作されている記事を見かけました。センサーの選び方までは良かったんですが、長期観測していないニワカ丸出しで最終的には使い物にならないじゃん、と憤ったのがこのブログを書くきっかけです。

手に入るセンサーにはいくつか方式があって

VOC(TVOC)方式

揮発性物質をセンシングする。空気が淀むと人間からでてくるガスで汚れてくのでなんとなく二酸化炭素も増えてるんじゃないかと推測できる

メリット

安い。amazonで500円くらいでI2Cセンサーが買える。(=Raspberry直結可能)

低消費電力。電池でいける 

 

デメリット

二酸化炭素測定としては推論値

1ヶ月程度で補正が必要 

経年劣化がひどくて数年でダメになる。袋から出しただけで劣化が始まる

 NDIR方式

二酸化炭素が特定の光の波長を吸収する(4.3um)ので、赤外線LEDやレーザーを発光させて、反対側の受光部で測定する事で計測する。 

メリット

正確

デメリット

高い。電気食う。

1週間に1度新鮮な空気(430ppm)で補正が必要 

エージングが必要 

エージンングに430ppmで48時間暴露が必要ってデータシートにあるのにDIY記事の多くが「安定するのに時間がかかりました」とかもうね。データシート読むのは必須でしょう? 

 

二酸化炭素以外のガスを無視できるが、発光素子の経年劣化、受光部レンズに油などがつく事により経年劣化するので随時補正が必要。NETATMOも1週間に1度この補正が必要なのでおそらくこのセンサー

 

2波長NDIR方式(本命)

メリット
補正がほぼ不要。ビル管理向け

デメリット
さらに高い

発光部が2箇所。4.3μmの赤外線と3.8μmの赤ランプを交互に切り替えて1箇所の受光部で測定する。4.3μmは二酸化炭素を吸収し3.8μmのほうは吸収しないので差分で二酸化炭素量がわかる
ビルなど数十年にわたって計測する必要があるところなどメンテフリーが必須なところに使われる

他の方式として受光部が2箇所あるタイプもある。こちらはもっと正確なんだけど窒素封入部とかあるのでもっと高い

2波長NDIRを買うのだ!

 amazonでググるとNDIR方式のセンサーは割と売ってました。

MH-Z14が人気のようです。だが高い。元は2,000円以下なのに5,000円近い。売ってくれるだけありがたいですが。

ただしほとんどがUART(RS232C)でRaspberry PIにくっつけるには少々ヘンテコテクニックが必要。bluetoothが使えなくなっちゃう

DIY記事のほとんどが config.txtをこうすればUART使えますよ!とあるけど、そのラズパイは専用になっちゃうものばかり。

UARTだと線が5mくらいが限界&ノイズ対策大変で距離が稼げない(雨の日は動かないとかあるあるネタ)

複数のセンサーを同時に接続できるI2Cがいいよぉ。パッシブ接続でも50mくらいケーブル引き回せるし。アクティブなら1kmとかだ。(工場で使えるレベル)

あとラズパイ1台で複数いける。いろいろケチって使いたいんだよぉぉ。 

 

理想はI2Cで2波長NDIRを求めて

日本には無い

無いんだ、これが。 

村田製作所とかが作ってるのは知ってるんだけど、1個5,000円で1,000個単位(500万円)でしか買えない。自作ユーザーなんか相手にしてくれない(当然か笑)

秋月電子で浜松ホトニクスのセンサーは売ってるけど高いし、そもそもセンサー部分だけなので超ローノイズのオペアンプ回路が必要でそれをA/D変換してとか個人じゃ無理。μWを補償する回路なんて作れる自信ありませーん。普通のハンダゴテで作るの無理です。企業の開発向けですね。


中国にはごろごろある

という事でAlipayサイトへ

I2C使えて2波長NDIRで3,000円くらいのセンサーを探すと

DS-CO2-20 というのが良さそうです。データシートはここ。2016年に発売されてディスコンになってますが、在庫は豊富なようです。新型は精度が上がって値段倍くらい。

$23でした。実はamazon.co.jpでも取り扱ってたけど7,000円近いです。即時欲しいならまぁこちらを選択するのもありなのかな。

壊してしまうかもしれないので2個買いました。届くのは2月過ぎ。


続く!

のか?


追記

データシート読んでて気づいたんだけど、I2Cのアドレス変更する方法ないっぽい!?これじゃ1wireで複数読み取りできんではないか。ぬあーしくった。他のセンサーも探してみよう。